遺産分割の方法 その2 共有分割
共有分割とは、現物分割の一種で、
一つの相続財産について、各相続人で持分を決め
共有の状態で分割する方法です。
不動産などを相続分に応じて公平に
分割することができるというメリットはありますが、
共有分割はデメリットの方が大きいように
思えます。
なぜなら、共有財産とすると
将来売却する際に、相続人全員の合意が
必要となってくるからです。
また、共有者の一人が資金に困り、
換金したいと言い出したり、分割を求めたりすることも
考えられるからです。
しかし、そのような場合において、共有者の間で、換金すること(換価)や
分割の合意が得られないと、訴訟などにも発展しかねません。
これでは、大きな労力と時間、それに費用もかかる可能性が
あります。
このような事情から、共有分割はあまりお勧めできない分割方法です。
実際に共有分割が多く見られるのは、
父親がなくなった後、母親と子どもで共有分割する場合で、
次の相続(母親の死亡)で子どもが相続する、
そのような過渡的な期間において行われるのが通例と言ってもよろしいかと思います。
共有分割は、当面は人間関係も良好で何も問題もなく
一見穏やかで公平感のある遺産分割方法に見えます。
遺産分割協議もスムーズに話がまとまることも多いかもしれません。
しかしながら、トラブルになる危険性を大いにはらんでいるものです。
そのため、しっかりとした話し合いを経て、安易に共有分割にしない方が
良いでしょう。
トラブルを未然に防ぐために
相続に強い税理士などの専門家のアドバイスも
取り入れるとさらに有効でしょう。
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